2007年04月のブログ
2007年04月23日


~前世は日本人?!のアメリカ人~
出張で来日中の米国人女性。スケジュールはかなりタイトなのですが、「今回の滞在中にきものをきてみたい!」と切望。日本贔屓で滞在も何度目かになる方ですが、これまでチャンスがなかったとか。
ご縁があり、きものコーディネイト&着付けをご一緒することになりました。日本語はまったく話せません。したがって英語でのやりとりになります。きものの美の微妙なニュアンスがどこまで伝わるかとも思いましたが(日本語でも精妙で微妙なので)ご本人は念願叶うとあり興奮気味。
しかし、スケジュールのどこを探しても時間がなく・・・
そこで、東京を離れての出張先に同行することになりました。
会議後のディナーに本格的な着物姿で出席し、日米の仲間を驚かせようということです。
限られた時間は20分!
さぁ、開始です!
すらりとした長身にオフホワイトのやさしい地色にカラフルな小紋がよく映えます。
紬ではありますが、地色もライトによくはえるので夜のディナーにもOK。
肌着、腰巻、Kazumi式補整、襦袢と身につけていくにつけ、彼女の顔が喜びで輝いていきます。
「まぁ、何と暖かいのでしょう。わたしは寒がりなのでうれしいです」と彼女。
「きつくありませんか?食事もするので無理しないでくださいね」との言葉にも、
「しっかり結んでもらえばもらうほど、何か安定感を感じるわ。ちっともきつくない」と頼もしい返事。
本物をしっかり感じとってくださりうれしい限りです。
名古屋帯は、Kazumi流三部式に仕立て直したもの。
きものの柄の一色をとった、つるつると光る素材。
帯締は八掛(臙脂)と同色に、帯のブルーがはいっています。
帯揚は、あわいクリーム色で控えめにしました。
ボブのヘアースタイルも黒髪に近くきものにぴったり。
次第にできあがる姿を何度も鏡で確認しながら本人もうっとり。
「・・・わたし、この身体感覚記憶にあるわ。きっと前世日本人だったんだわ」
そんなつぶやきを聞きながら、ストッキングをもち、足袋の履き方を指導します(まずは甲の部分から半分におり・・・)。
そして、最後は食事中の所作のワンポイント・アドバイス。
「二の腕をみせないことが美しい姿です。だから袖口を押さえましょうね」
自ら何度か練習し、指先まで優雅に動かすところはさすが。
メイクもきものに映えるように、普段の薄化粧から濃いものにかえるところは美意識の高さ。
仕事のできる方は何でもできる様です。
雨の夜道、傘をさしレストランまで数分の道のりを初めての草履で歩きます。
その後ろ姿の何と優雅で、自然なことか。
「日本人でもこんな所作はつくれないのに。もしかしたら本当に日本人だったのかも・・・」
頬を紅潮させ、感動にきらきら輝く瞳。
そんな彼女を迎えてPARTYは静かに盛り上がっていきました。
最近米国では、KIMONOを美術品やお土産としてではなく、「着てみたいい」と考える人も多いとか。
からだを包むやさしい素材、染めや織りの美しい輝き、凛とした誇り、そのようなものを与えてくれるきものを国内外で一人でも多くの方に触れてもらいたいと夢中で活動中です。
慌しい出張でしたが、感動を「与え与えられ」の何ものにも変えがたい体験でした。
投稿者 Kazumi : 23:17
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2007年04月15日



~4月15日流鏑馬(やぶさめ)神事を観る~
鎌倉時代に走る馬上から鏑矢(かぶらや)を射る流鏑馬は弓術の稽古、儀式として武士のたしなみであった。個人の騎馬戦術がすたれ、室町・安土桃山時代には一時廃れたが、江戸時代には徳川家により奨励され復活した。現代ではあちこちの神社で神事としてとりおこなわれている。
鎌倉の鶴岡八幡宮では文治3年(1187年)8月15日に源頼朝により催行されたのが始まりと言われ、毎年4月第3日曜日と9月16日に行われている(写真上段左)。
13時開始の数時間前から、境内は場所とりで多くの人々が集まり2町(220m程度)の長さの馬場をはさんで身動きがとれないほどの状態。
しかし、「現在、拝殿で神事がおこなわれています。もうしばらくお待ち下さい」というアナウンスに、人々も静かに待っている。お祭りさわぎの喧騒がないのが心地よい。
30分ほど待っていると鎌倉時代の武士の狩装束(あげ装束)に身をつつんだ射手が登場(写真上段右)。どの馬も毛並みがつやつやと立派である。中でも、栗毛が光に輝く馬の額には菱型の白い印がくっきりと美しい。
家紋の旗をささげもつ先だち、的をしずしずと運ぶ人など、色とりどりの装束に包まれた姿は一幅の屏風絵をみる様である。
中でも一段と目をひくのは、高齢の方の武士姿。馬上で背筋はピンとのび、長い弓をひき矢を天にむけている姿は風格を極める。
若い人々の装束姿との違いを観察すると、年配の方々はやはり姿勢がよい。装束を着こなしている。
やはり、きもの同様背筋をのばし「成りきった、慣れきった」が美しい姿への道なのかもしれない。
帰路、参道を歩くと鎌倉彫の店先に面白い下駄を発見。
いずれも鎌倉彫であるが(写真下段)、右は大きな男下駄(45000円)、左は丸下駄に印伝とんぼ柄の鼻緒がついている(26000円程度)。力強い鎌倉彫の台では、歩くと痛そう。
800年以上前にタイムスリップ!のひととき。
鎌倉は小京都といわれるながらも、きもの姿をほとんどみかけなかったのは残念である。次回は、多くの人ときもの姿で行きたいものである。
投稿者 Kazumi : 19:04
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2007年04月12日


~新人の頃を覚えていますか?~
桜の季節は、新入学、進学、新社会人への門出の季節。
依頼を頂いた企業へのきもの新人研修が始まりました。
これから数回にわたり、きものに触れたことの無い方も含め、全員が「きものを身につけ手結びでお太鼓を締める」というゴールにむけてのインテンシブ・コース。
これまでは先輩社員の指導により、その後は日常業務OJTで学んでこられたようです。素敵なきもの姿でてきぱき働く入社三年目の方にお尋ねすると、
「最初は一時間以上かかりましたが、今は20分ほど着ます」とのこと。
「きものは特別なものではない。日常の中で学ぶ気持ちさえあれば、きちんと着ることができる」と再認識させられた出会いでした。
Kazumi流ふだんきもののコンセプトは「きもので犬の散歩」つまり日常生活の中で「手早く着崩れず美しい」ということを得意としています。
そのためには、ファンデーション作り「命」です。
ランジェリー、肌着、補整着、襦袢と着物を着るまでのプロセス(=気にすべき箇所)の一つ一つを丁寧にきっちりと進められれば、着崩れないきもの姿が保証されます。
特に「補整しすぎないすっきり補整」、「日々変化する体型・季節にあわせた補整」には定評があります。手作りなので費用もかからず、何よりも微調整がきくオーダーメイド。
Day1は補整着作りからスタート(写真左)
「何年ぶりで針をもつかしら」という姿は、かつてのわたくし自身を見る様です。
そんなわたくしが今では、きものも帯も仕立ててしまうのですから・・・
お針仕事では布地にあった針と糸を準備することが大切。きちんと合っていると、余計な力もかからずに仕事の速度が何倍もすすみます。
それぞれできあがった補整着をつけ鏡の前に立ちます。
「己を知る」とは哲学者ばかりの命題ではありません。
わが身がどれだけ非対称の体になっているか。
背中が丸くなっているか。
上半身のでこぼこを手で触れて感じとってもらいます。
左右の肩の下がり方の違いに驚く声もあがります。
そして、うすーく伸ばした脱脂綿で少しづつ補整開始。
次に、襦袢を身につけます。
両腕を後ろにまわし、衣紋布(えもんぎれ)に紐を交差させて通し、前で結ぶという作業は、現代人には難関。きょうから皆さん、腕を後ろで組むストレッチです。
右も左もわからない状態から、2時間でこの姿(写真右)。
最初から最後まで気をぬかず、熱気があふれていました。そんな、ういういしさは、ふとわが身を振り返らせる時空間へと繋がっていきました。
凛としたきもの姿は、まずは体力作りから♪
これからのきらきらとした新人の成長ぶりが楽しみです♪♪
投稿者 Kazumi : 19:00
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2007年04月07日

『日経WOMAN働く女性のレストランガイド2007』
都心の桜はすっかり葉桜。
水面に舞い散る薄ピンクの花びらにも風情を感じるのも桜ならでは。
ところで、昨年取材をうけた日経WOMANのレストランガイドブックが4月7日に発売されました
サブタイトルには「第一線で活躍する大人の女性26人が選んだ首都圏の162店」とあります。面映いタイトルではありますが、わたくし自身がきもので尋ねたお勧めレストランです。p233で以下の6店推薦していますので、(写真掲載)ご参考になれば幸いです。
1)六本木 与太呂(港区六本木)
2)シェ松尾・松濤レストラン(渋谷区松濤)
3)韻松亭(台東区上野)
4)銀座 鳥繁(中央区銀座)
5)BOBOS by Queen Alice(品川区品川)
6)OZAWA(港区白金)
撮影で着用したものは、単のきもの。
クリームがかった地色の綸子に墨色の染めで細かいあられ模様があるお気にいり。ドレス・ダウンしたく、黒半衿。写真ではわかりませんが黄色系のかがり帯を結んでいます。
いかにもはんなり系のきもの柄も美しいですが、やはりパキリとした江戸好みの色あわせを着ると、背筋も伸びます。
この小紋はビジネス・スーツを着る感覚できています。
レストランで食事という場合にも照明に映え、また汚れも目立たないので、最強♪の一枚です。
投稿者 Kazumi : 14:01
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2007年04月04日

~ 季節と楽しむきもの ~
誕生日に母よりきものが届きました。
畳紙(たとうし)をあけると、ぱっーと明るい花が目にとびこんできました。
クリームホワイト系の地色に白い小花が渋い緑の葉に映えます。
この色はKazumi流でもお勧め、誰の顔も美しく見せる「オールマイティ美人色」が、うれしい。
小花の中心は淡いサーモンピンク、ところどころに金がさしてあります。
最近では、需要と供給の関係で小紋(=ふだん着)のよい染め、柄になかなか出会えません。やはり、昔は深みのある品が手頃に手にはいったのでしょう。
何年も前に気にいって誂えたものの、一度も袖を通さぬままに月日が流れたようです。ぷーんと、樟脳の香りがします。しつけを解いてきものハンガーにかけてみると、なんと胴裏全体に黄ばんだシミがひろがっています。
みなさんも気をつけてくださいね。
大事にしすぎ、もったいなくて手も通さず、その内に忘れてしまった着物の悲劇!
絹は虫食いやかび、シミが発生しやすいのです。ですから、着なくても年に一度は風をとおしたり、マメに畳紙をとりかえることをお勧めします(帯用/きもの用ともに一枚315円でお分けしています)。
きものの良いところはほぼフリーサイズ、工夫次第できられます。身長差は15cm以上あるかもしれませんが、腰紐を下目に締めておはしょりも出すことができました。裄は、できるだけ腕を縮めた所作でカバー。襦袢の袖は事前に肩で6cmほどあげました。とり急ぎの応急処置ですが、春らしさに誘われて夜の観劇に出発!
帯は二重太鼓、もちろんKazumi流三部式つくり帯に仕立て直しているので、あっという間に締められます。帯留のめのう色と小花のサーモンピンクを調和させたく、帯は控えめな幾何学模様です。
帯留は母からもらった時はめのうだけでしたが、ベビーパールを周囲にあしらいアンティーク風なデザインで作りなおしてもらいました。
袷もそろそろ着納め。一度手をとおしただけのものでもしっかりお手入れをして秋にそなえましょう。
生け洗い、シミ抜きなど何なりとご相談ください。
投稿者 Kazumi : 17:34
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